「分かりやすい表現」の技術 [書評]
親戚の家に行った際、私が来年就職するということで、
2冊の本を貰った。
そのうちの1冊がこの本である。
この本は、人に情報を分かりやすく伝えるためのテキストのようなものである。
この本では、「分かりにくい表現」の例として、
写真や絵を用いて沢山の「違反例」を紹介している。
そして、それぞれの「違反例」に対応して「分かりやすい表現」のルールを作り、
そのルールに違反していないかどうかの確認が出来る「チェックポイント」が掲げてある。
文章は非常に平易に書かれており、読みやすい。
しかし、中にはあまりにも当たり前なことも含まれる。
1997年に、NTTから、電話番号の非通知方法をどちらか選べという通知が来た。
「通話ごと非通知」か「回線ごと非通知」である。
それぞれに、次のような説明文が書いてある。
通話ごと非通知
「相手の電話番号の前に184をつけてダイヤルすると、その通話に限り電話番号を通知しません。」
回線ごと非通知
「お申し出いただいた回線からのすべての通話について、電話番号を通知しません。
ただし、相手の電話番号の前に186をつけてダイヤルすると、その通話に限り電話番号を通知します。」
著者は、これが何度読んでも分からなかったそうだ。
その原因は、「特殊用語の乱用」と「差異率」にあるという。
「差異率」については、両者の違いは「通話」と「回線」の部分のみであるので、
「差異率」が低く、両者を見分けるのが難しいという。
そこで筆者は、「番号通知式」と「守秘優先式」にすることを提案する。
こうすることによって「差異率」が高くなり、対比関係が明らかになるので、
両者を見分けることがずっと容易になるという。
確かに、著者の提案の方が対比関係が明らかで違いを理解しやすい。
しかし、私は前者が分かりにくいとは思わなかったし、
むしろ前者の方がシンプルで好きである。
皆さんはどうだろうか。
私がここで思ったことは、果たして、対比関係を明らかにするために、
「差異率」はそこまで重要なのか、ということである。
確かに、「差異率」が大きいほうが区別が付けやすいという事例は沢山存在すると思う。
この事例でも、「差異率」を大きくすると、区別が付けやすくなった。
しかし、私は、この事例では、実質的には「差異率」を大きくしたのではなく、
対比関係が明らかになるように見える視点から見た表現に変えたのだと考える。
つまり、この事例では、「非通知の方法」という視点から、
「番号を通知するか否か」という視点に変えて表現しているのである。
したがって、視点を変えて表現し、結果的に「差異率」が大きくなったのだと考える。
続く
「分かりやすい表現」の技術―意図を正しく伝えるための16のルール
- 作者: 藤沢 晃治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/03
- メディア: 新書
文語体で書かれている文章には、多くの人がめんどくさがってたりするからね。取説とか法律とか、公的な文書なんかも。
例えばニュースなど、正確に伝えなければいけない情報には
「露大統領は本日の閣議において、先日国連の安全保障理事会で採択された、制裁決議案に対して難色を示した。強行的な制裁発動となれば、北朝鮮が暴発するのではないかという懸念を正式に表明した。」
というのを会話っぽく言えば、
「北朝鮮をこれ以上追い詰めたら危ないから、今日の閣議でロシアの大統領が国連で決めた制裁決議に消極的だって言ったらしいよ」とう事になる。
どっちがわかりやすいかと言えば、多少の情報量に差があるとはいえ、後者だろう。日本語って難しいね。。。
by まちゃ (2006-10-21 17:27)
イヤよ。
by nimo (2006-10-25 08:54)
まちゃさん>
法律は分かりにくいですね~。
あれは是非分かりやすくしてほしい。
最近ようやくカタカナ表記が平仮名に直されてるみたいですけど。
ニュースを口語調に読むような時代は来るのでしょうかね。
来なそう出すね、わかりやすいのに。
てか、急に辞めちゃったんでびっくりしましたよ~。
nimo>
??
by usk (2006-10-26 01:07)
184=イヤよ
by nimo (2006-10-29 02:40)
194。
by usk (2006-11-02 01:30)